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小説感想:二宮敦人『暗黒学校』

 暗黒学校(アルファポリス文庫上下巻)二宮敦人

ある日、高校のトイレで気絶していたユウタが目を覚ますと、平凡だったはずの日常が一変、校舎全体が硬い岩で覆われていた。原因不明の状況下で、生きていた仲間は10人。脱出する方法は見当たらない。太陽の光はなく、携帯電話の電波も通じないこの場所で、クラスメイトたちの極限生活が始まった――。不条理ホラーの天才作家、待望の長編!



 で、これ今でもネットで読めるんですかね? 『ビブリア古書堂』同様、 漫画風の装丁とタイトルに惹かれて手に取っちゃいましたよ。なにせ精神年齢は永遠の中学生ですから、私。
苦手なサバイバルものでも、こう言うのは好きです。




以下ネタバレし過ぎないように書いてるつもり↓

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 一読して、これってホラーじゃないよね? ってのが正直な感想。で、アダムが逃走して、イヴになった少女に再会するまでの、死闘を繰り広げた六人男女の顛末が気が抜けるくらい呆気ない。えぇ、ここまで引っ張っておいて、そんなに簡単に大量に片付けちゃう? みたいな。

 この作品のヒロインだと思う少女Aの、素直な欲望。欲望に正直な、いっそ清々しいくらいの圧倒的なセリフに、私もダメダメ男子同様言い返せませんでした。

「計算だなんて。優秀な男性に恋をしているだけよ。男の子だって、可愛くて頭のいい女性を選んで恋をするでしょう。女の子だって同じ。その時輝いている人を好きになるの。輝かなくなってしまった人は、新しく輝きはじめた人の前でもかすんでしまう」

「努力を怠って、輝かなくなった人から離れるのは、当たり前だよ。その人がもう一度復活するって確信があれば、一緒にいるかもしれないけど。でもね、男の子だって同じじゃない。私がちょっと油断すれば、すぐ他の女の子に目移りしちゃう。(中略)私は毎日素敵な女でいるように努力しているの。そんな私が、努力しないで落ちぶれていく男の人と一緒にいるなんておかしいよ。私が残酷なんじゃないのよ。男の子も。女の子も、みんな本気で恋愛しようとしたら残酷なの」

「どんな話を聞いてるのか知らないけど、私は好きな男の子に気持ち良くいてもらうためには、一生懸命嘘だってつく。それが女に必要な才能の一つだと思ってるもの。好きな男と一緒にいるために、発生する障害は私が取り除いて見せる。どんなことであっても。手段なんか選ばない」



 なんて劇場的で強かなヒロインなんでしょう! 彼女こそ最後まで生き残る価値のあるイヴだと思いましたけどね。ところが、そんな計算高い彼女も、どんな状況にあっても一途にただ一人の男の子を想う少女Bには、勝てなかったのでした。相手はそんな少女Bの気持ちにも気づかない鈍感な男の子でしたけどね。ナイーブなくせに、どうして傍に居る女子の気持ちに気づかない? そんなのあり? のダメダメ男の子。親友に追い詰められて、共感した黄色ちゃんと同じような行動おこしちゃうはめに。少女Aに助けられ、ボートで一階にプカリと浮かびながら、食料与えられるのを待つだけの、生存能力なしだし。自分に利用価値が無いと知られた時、少女Aに殺されちゃうだろうに、それまで何も考えていなかったみたいだし。食料が与えられなくなって幾日も経ってからやっと、様子に見に行こうかだなんてのんびりし過ぎだよ。
 
 少女達の心情はみんな解かり易いのに、少年達の心情はゴリ以外まったく解からない。
わざわざ休みの土曜日に登校して、文化祭の出し物決めなきゃいけないの? しかも何故か13人だけの出席、この人数だけで決めちゃってイイわけ? さっさと決とりなよ、委員長だからあんた疑われるんだよ、って不思議な設定。大人も他の教室の生徒も一切居ない、実質リーダーの少年が被害妄想に囚われるのも不思議じゃない、その為の設定か?何故彼は表だってリーダーになりたがらなかったのか? 突然、親友を疑うようになった、のは何故か、まったく解からない。

 それにしてもイヴを守った少年の豹変も解からんかったな。一番気にしていたキャラだったから、え? なんでここで急に、少女Cを称えるわけ? その理屈わからない。もともと足蹴ざまに言いながら気に入ってはいたんだよね、少女Cと話すとき楽しそうだったもの。庇う時、「よせよ」って少女Cの前に出て、論理的に策を弄するのじゃなく、結局、黄色ちゃんやダメダメ男子と同じような無謀な行動に出ちゃうなんて、極限状態のせいでしょうかね。最後はカッコよく比較的死に方が綺麗だったのが幸いでしたけどね。

 共通の敵を持つとみんなの団結力が固まるってのは、解かり易かったですね。間違っていても仮想でもイイ、ダメダメ男子はそれを当てにして犠牲になったわけだけど。

 みんな自分の思い込み、世界を持っていて、誰も理解しあえないとお互いを石ころと例えることで落ち着くアダムとイブ。石ころ相手に話して救われるものなのか?

 ま~どう転んでも、救助されるまで持たなかったのだろうから、そう言う点からみればホラーなんでしょうか。


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tag : 白いページ 暗黒学校 二宮敦人 長編小説 感想 サバイバル

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まったく救われない上にかなり急展開でかなり好みに分かれる話だった・・・
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唯

Author:唯
 読書感想が主です。探偵が登場する本格ミステリー好き。
と言っても、難しいことは解らないのでトリックにはさほど関心無く、登場人物のやりとりを見るのが好きなだけです。

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