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「『不思議の国のアリス』の家」ヴァネッサ・テイト:読書感想

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                           内容
 :舞台は、1860年代のイギリス、オックスフォード。クライスト・チャーチ学寮長の三姉妹・イーナ、アリス、イーディスは、大きな屋敷で暮らしています。そこへ時々訪ねてくるのは、当時流行し始めた写真術のカメラを抱えた、ドッドスン氏。のちにルイス・キャロルという筆名で『不思議の国のアリス』を発表する彼は、オックスフォード大学の数学講師でした。ちょっと風変わりだけれど、物ごとの真実を言い当てるドッドスン氏になつく子どもたち。とくに、おてんば次女のアリスは、ドッドスン氏が大好き。家庭教師メアリはそんな子どもたちをしつけねばと躍起になります。
 いっぽう、リデル家に住み込みで働く家庭教師メアリは、目下恋人募集中。結婚が遅れ、少々あせり気味ですが、ある時、近くの服飾雑貨店の店員ウィルトン氏に求婚されます。ただ、風変わりながらも心の純粋なドッドスン氏に惹かれていくメアリ。しかし、当のドッドスン氏は、アリスと話をしてばかりです。メアリの思いは、どうなるのでしょうか…。
 リデル家の子どもたちと出かけた舟遊びの途中で、キャロルが即興でお話を語り、それが『不思議の国のアリス』へとなっていく。有名なエピソードを下敷きにしながら、そこへ至るまでのアリスたちの日常生活が、家庭教師メアリの目を通して描かれます。物語が生まれた時、オックスフォードの街はこんな雰囲気だった…名作誕生の背景を再現した物語。



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 解説によると、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」は、シェイクスピアと聖書に次いで、世界で三番目に元も多く引用されている作品。最初の題名は、「地下室のアリス」だったそうで。
うさぎを追いかけて穴に落ちるから? 地下室と言う響きが子供に読み聞かせる本にしては、健全じゃないように感じられると思ったから?



 ↓ 以下、ネタバレあり。





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     アリスの写真って、ルイス・キャロル自身がとってたんだ。
    大学の数学講師、学生に人気なかったんだ。教会で話す時も吃音がでて、結構ヘタレな男性だったみたい。パブリックスクールではいじめられていたらしく、心の傷は深いよう。


     お話の中のアリスを薄い色の長髪にしたのは、アリスの母親が自分の娘を物語に登場されることを喜ばないだろう、とルイス・キャロルが察していたからだったのね。そして、何時の間にかアリスの髪は黄色になっていったのね。作品が有名になってから、母親は誇らしく感じたのかな? アリス自身は? ルイス・キャロルのお目当ては、アリスじゃなくて長女のイーナだったかもしれないなんて。初めて会った時、アリスは四歳だったからイーナなら、七歳でドンピシャ! アリスコンプレックスのルイス・キャロルの好みにあってるよね。
     ちなみに四歳児ならハイジコンプレックスと言うのだそう。



     四十のおっさんが、十歳の女の子の写真をとる為に、重い機材を運びながら館にせっせと通う。そりゃ今ならロリコン! 変態! 今度娘に近づいたら警察呼ぶわよ! と出入り禁止になるでしょ。それがこの時代は、それほど不自然でもないようで。アリス達三姉妹のじゃないけど、ヌード撮影も許されていたらしい。結婚は18じゃなきゃ出来ないみたいだけど、幼過ぎるとは言われても婚約は出来るみたい。アリスの年齢より、資産額がつり合わないのが問題だったみたい。アリスを母親はビクトリア女王の王子と結婚させようとしてた位だから。まぁ~どっちも結婚しようとは思ってないようだけど。第一結婚出来る18歳に成ったら、もうドッドスンにとっては少女じゃないもんね。


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    p146
    「ゆるぎない信念を断ち切るような懐疑的な考えがある。誰よりも敬虔な魂に思いがけず飛び込んでくる冒?的な考えがある。純粋であろうとする心を憎々しげに苦しめる不道徳な考えがある。



    p86
     けれど、善人になろうと努力しなければならない。子供たちのこともなんとかいい子にさせなければ、それが人間の本性に抗う苦労だとしても。




     性悪説の先生。手のかかる少女はアリス一人だったのに、それが恋敵になるとは。私もメアリと一緒にアリスを憎たらしく見てしまいました。今でも30歳ってプレッシャーがかかる年齢ですよね。この時代お見合いパーティーとか無かったのかな?


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     メリッサの心を見透かして、何で? どうして? 話したくないデリケートな部分まで攻撃してくるアリスに追い詰められ、ついヒステリックに命令してしまう。お仕置きをしてしまう。良いお仕置きなんてないのかもしれないけど、手を定規で叩くのも嫌だなぁ~なんか心がすさみそう。



    p323
     メアリとて、取るに足りない人間ではないのだ。なんの価値もないとばかりにおもちゃにされていい存在ではない。

     都合のいいときにだけ相手にされ、そのあとはほったらかしにされた、あの人は自分がなにをしたのか説明しようともせず、風に飛ばすようにメアリを見捨てた。とても誠実に見える人があんなにいいかげんだったとは。


     愛とは実験室でつくられてはあっという間に流して捨てられる化学薬品のようなものだと、いつか気づくだろう。待っていれば、ドッドスン氏はいずれ流れていく。メアリにだって自尊心はあるのだ。



     人生初のモテ期到来! と噂を頼りに、ウィルトン氏の求婚きっぱり断っちゃたメアリ。あれ、返事保留にしておいて、求婚されたんですけど、とドッドスン氏に相談してみれば良かったのに。
    今までは二股なんて卑怯かなと思っていたけど、普段モテ無い人はキープって安全策とってもイイよね? 噂に翻弄されたから、傷ついたメアリは噂で復讐する。そんな致命的な噂じゃないから可愛いじゃない。私はもっと恐ろしい、アリスに手をかけるのかと思っちゃいました。


     ドッドスン氏と子供たちにチクチクさん、と呼ばれていたメアリ。まぁーヒステリックになるからしょうがないんだけど、気の毒。太りたいのに太れない体質か。意地悪そうに見えるのか。ヴィクトリア朝時代はぽっちゃり位が美人とされていたのかな? それともメアリが骸骨のように痩せていたから、周りが皆ぼっちゃりに観えたのかな?


     アリスが言ってたように、高等教育を受けていないメアリが学寮長家の家庭教師になんでなれたのだろう? 不思議。社交的な母親ならもっと高学歴か、愛嬌のある女性雇うこと出来ただろうに。そういやメアリの前の家庭教師どうして辞めたのか説明されていなかった。女性家庭教師不足だったのかな? 家庭教師に美しさや愛嬌は求めてないか。ドッドスン氏に振られた当時は善人になることをやめたメアリ38歳で結婚するまで、ここに居られたんだよね。地位のあるお金持ちと結婚出来て良かった!


    p32
    ぼくのそばには妖精がいる
    寝てはだめ とぼくに言う
    まえに一度痛くてわんわん泣いていたら
    こう言われた「泣いてはだめ」

    ご機嫌になって にこにこしていたら
    こう言われる「笑ってはだめ」
    まえに一度 ジンを飲みたくなったら
    こう言われた「がぶ飲みしてはだめ」

    「なんだったらいいの?」ぼくはとうとう叫んだ
    うるさい言いつけに もううんざりだった
    妖精はすまして答えた
    「訊いてはだめ」



     母親や教師、子供をしつけなくてはいけない大人は、だめ! って連発するよね。こんな詩を書いて子供達に好かれるドッドスン氏なのに、規則には厳しい講師だったんだよね。意外。





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    tag : 『不思議の国のアリス』の家 ヴァネッサ・テイト ドッドスン氏 メアリ 家庭教師 数学講師 求婚 写真 ルイス・キャロル

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    唯

    Author:唯
     読書感想が主です。探偵が登場する本格ミステリー好き。
    と言っても、難しいことは解らないのでトリックにはさほど関心無く、登場人物のやりとりを見るのが好きなだけです。

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