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『透明カメレオン』道尾秀介:読書感想

ミステリ×家族×恋愛×策略
 ジャンルを超越する俊英が情熱と技術の全てを注ぎ込んだ、2015年最強のエンターテインメント小説

 作家生活10周年記念作品

 今夜も僕は、世界をつくる。
 少しの嘘と、願いを込めて。



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あらすじ『角川書店』
 ラジオのパーソナリティーの恭太郎は、冴えない容姿と”特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバーif」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。
 恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが――。

 陽気な物語に隠された、優しい嘘。
驚きと感動のラストが心ふるわす――。



 


 ↓ 以下、ネタバレあり。





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     ――まず、自分のファンを騙す主人公が不快、騙されたことを逆手にとって犯罪に使おうとするヒロインも嫌で、墓場のシーンで読むのやめました。また、一人のメンヘラ女に、周辺の人々が翻弄され犯罪に巻き込まれ話か、と思ったから中断して、『村上さんのところ』を先に読んでから、続きを読みました。


     母が妹の出産で実家に帰ってるのをイイことに、押し掛け女房のようにマンションに転がり込んだヒロインとの同居生活に、胸のときめきを抑えきれない恭太郎。母と妹の許可とらず、いい加減な奴だなぁ~と呆れていたら……ヒロインが登場してくれたことは、本当に恭太郎にとって救いだったんですね。


     母と妹が、妹の出産で母の実家に帰るのって、変わってるなと不審がってたんですけど、そこは本当だったんですね。後は疑ってなかったのに……

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    p369
     あのときこうしていたら、ああしていたら。そんなことは考えても仕方がない。行動の結果なんて誰にもわからない。選択自体が間違いだったわけじゃない。それなら、いまをつくり変えるしかない。新しいいまをつくってしまえばいい。たとえ目に見えない透明な世界だったとしても、本気で願えば、人はそれに触れることができる。両足で立つことができる。僕はそう信じていた。
     ただ僕は一つだけ、百花さんに頼みごとをした。
    「変わりたいと思ってくださいって言ったんだ。心からそう願ってくださいって」
     長い時間考えて、百花さんは頷いてくれた。きちんと僕の目を見て頷いた。変わりたいと願うことは、思えば彼女にとってはとても大変な行為だったのだ。それでも百花さんは願ってくれた。
    「それで、あの放送をしたんだ」




     私はよく、しょーもないことで、あの時ああしなければ、あそこでああしてれば……なんて、ど~しようもないことを考えたりします。

     
     「if」会のメンバーifは重過ぎます。
     恭太郎が彼女に告白するまで、皆が深夜に集うお店の名前、気にもしてませんでした。
    店内でのお気楽なやりとりでは察せられなかった、とても深いところで結びついていたメンバーだったんですね。


     ラジオでの恭太郎の作り話は、罪の意識を引きずって深夜集まるifのメンバーの心を救う為のものだった。、
     それで冴えない恭太郎の恋を応援し、ヒロインの犯罪計画に驚くほどあっさりと乗ってくれたんですね。


     高校生の時、自分に向かって来た空き巣に、調理中の包丁を突き出してしまった、百花。正当防衛で罪に問われなかったし、咄嗟のことで選択する余裕が無かったとはいえ、人を殺した感触は一生消えない。もし、あの時、空き巣から強盗になろうとしていた犯人に、突き出していたのが恭太郎が作り変えたように、イカだったら百花の方が傷つけられていたかもしれない。まったく自分に非の無いことで避けようのないことだったのに、罪の意識持ち続けなければいけない。


     ママのifは誰でもやってしまいそうなこと。久しぶりにかかってきた娘からの電話、店が忙しい時だったので、素っ気なく切ってしまった。娘のSOSに気付けなかった。


     害虫駆除屋さんのifは、普通なら笑い話になること。自分を轢こうとしたした運転手を懲らしめる為、死んだフリをした。焦った運転手そのまま逃走して、通行人本当にひき殺しちゃった。

     
     喧嘩して友達に怪我をさせてしまった。謝れなかった。松葉づえで、皆の遊びに入れなかった友達はキレて、学校の窓ガラスを割っちゃった。弁明しない生徒に、担任の懲罰は一人で教室掃除をさせることだった。それもご丁寧に鍵掛けて。昔でもこれはやり過ぎだと思う。鍵なんてかけないで、あいつ今足が不自由なんだから助けてやらないのか? ってクラスメートに協力するよう仕向ければ良かったんじゃないのかな? 担任のせいでその時も謝ることが出来なかった少年。その後火災で亡くなった友達のことを、自分が謝らなかったせいだと自分を責めてきた。責任あるのは大人の担任で、小学生のあなたじゃないのよ、と言い聞かせても、きっと駄目なんでしょうね。


     美男子なのに残念! な男性のifが考えさせられた。
    仕事人間の父親の浮気。母は多額の慰謝料を貰って離婚、となるところ、息子は気づいてしまった、浮気写真の不自然さを。母親は、慰謝料で報酬を払うと、友達に頼んで夫を誘惑して貰っていた。息子は、父親を騙したくなくて気づいたことを話してしまった。その結果、当てにしていた慰謝料を貰えなかった母親は離婚後苦しい生活を送らなければならなかった。多分、母親の方に引き取られたのだろう。母親は、あんたが気付きさえしなけば、と息子を恨んでいた。それから息子は、気づき過ぎないようにしていた。

     
     ではこの子供の立場だったら、どうすればイイんだろう?
    引き取って貰う親が有利になる方を選ぶ、損得で判断出来たらイイのだけど。どっちにも愛情があって、不正が嫌いで、となると何がベストの選択か? 彼のifは考える余裕があるのものだった。 


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    ifのメンバーを、自分の計画に利用しようとしていたヒロインはメンヘラ女じゃなかった。犯罪を犯すつもりじゃなくて、犯罪を犯しそうな父親を止める為の、計画だった。ifメンバーの団結のおかげで、父が復讐しようとしていた産廃業者から、恵と父親は救出される。

     そして、母と妹と生まれてきたばかりの甥を亡くした恭太郎の告白を、静かに受け止められる女性だった。恭太郎の恋は成就しそうな気配。


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     違法投棄って、捨てた産廃業者より、違法投棄と知らずに産廃頼んだ会社の方が罰則重いんですね。知りませんでした。ど~して? 気の毒です。納得出来ません。

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    tag : 透明カメレオン 道尾秀介 if 深夜ラジオ 産廃業者 違法投棄 二人羽織 バー

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    唯

    Author:唯
     読書感想が主です。探偵が登場する本格ミステリー好き。
    と言っても、難しいことは解らないのでトリックにはさほど関心無く、登場人物のやりとりを見るのが好きなだけです。

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