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『六番目の小夜子』恩田陸:読書感想

綾辻行人氏激賞!
 幻のデビュー作を大幅改稿して単行本化


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あらすじ「新潮社」
 ある高校に密かに伝わる奇妙なゲーム。
「六番目の年」、それは恐ろしい結末を迎えて……。





 NHKドラマで最後の方だけ観たことがありました。
それで以前から読んでみたいと思って居た作品でした。

 


 ↓ 以下、ネタバレあり。





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    p128~129
    「学校というのはなんと不思議なところなのでしょうか」「そんなふうに考えたことはありませんか」「学校って何のためにあるのでしょう」「もちろんそんなことわかりきっていますね」「そう、勉強するための場所なのです(ここでいきなり声がひょうきんになり、一瞬笑い声が起きた)」「でも勉強するための場所ならば」「何もここでなくたってできる」「おかしいとおもいませんか」「試しにそこの教室を覗いてごらんなさい」「何が見えますか」「たくさんの同じ大きさの机と椅子」「どれも同じ形をしているがらんとした四角い部屋」「この部屋は何」「そう、これは容れ物なのです」「何を入れるのでしょう」
     赤いランプ。少々長い間。
    「そう、人間です」
     その文を読んだ生徒の声があまりにも乾いていたので、その『人間』という言葉の冷たい響きに雅子はビクリとした。「――そう、あなたたちを入れるのです」「あなたたちをこの一つところに集めるためにある場所なのです」「この場所に足を運んでもらうがための口実に」「皆同じ服を着せ」「皆で勉強しようというのです」「こんな狭いところに四十人も」「時には五十人もいる」「もしここで生活をしようというのであれば」「こんなところに四十人も五十人も」「入っているなんてことは」「とても考えられませんね」「しかしここでは」「みんなが前を向いて」「そこに何時間も座っている」「みんなが前を見て」「先生の話を聞く」「みんなでこの場所に」「いる」
     雅子は、だんだんと長い夢をみているような心地になってきた。――この暗闇の中で、あたしはじっと座っている。少しずつ、声のする位置が移動していく――さざ波が寄せていくように。まるで、この講堂そのものがピアノか何かの楽器で、誰かがその楽器を弾いているみたいだ――あたしたちは盤なのだ。誰か大きな、あたしたちには見えない人が、あたしたちを弾いているのだ。
    「同じ話を四十人で聞いて」「四十人が同じことを考えるとは」「限りませんね」




    ジムノペディ - エリック・サティ




     学園祭の『六番目の小夜子』のは、全校生徒の呼びかけで演じられることになった。暗幕を張った講堂で、渡されて来るマイクとペンライトを頼りに、生徒達は一人一人与えられた台詞を言わなければならない。結構長いセンテンス喋んなきゃいけない生徒もいれば、「と」の一言しか言えない生徒も居た。学校祭実行委員、随分ザックリした区切りだなと思いました。

     その時、流れる曲がこれ。知らず知らず耳に入ってくる聞き馴染んだ曲なのに、エリック・サティとは知っていても題名知りませんでした。このゆったりとした感じがお休み前にイイかも。この薄気味悪い感じがミステリーにはイイかも。


     ドラマでは、最初の小夜子が説明してくれていたけど、原作は全ての謎が解明される訳では無かった。そう言う意味ではミステリーと言うより、ファンタジーホラー?
     転校生の津村小夜子が神戸の超進学校から、関根秋の進学校に来たのは、手紙とを送られたせいだった、ってのは最後に分かる。送り主はたぶん、担任だったんだろうな……ってフリはある。あ、でも、転校手続きしてないのに、何で小夜子が転校するかもしれないって判ったんだろう? もしかして、これこそ、二番目の小夜子が送った、とか? ホラーファンタジーだから、あり?


     転校生の小夜子は、動物を操る力を持っていた。すげぇ~! そして人の心も。加藤を怯えさせたのも、不良を野良犬に襲わせたのも転校生の小夜子。では、秋と設楽が部室に居る時、邪魔するように唸った猫を操ったのはどっち? 事故死した二番目? 転校してきた六番目? 

     石碑を割ったのは? 転校生の小夜子なら、秋と設楽の後付いて確認しなくてもイイものね。担任がわざわざ? 転校生の小夜子を庇う為に? の台本を、設楽の家に届けたのは? 転校生の小夜子? 小夜子からワープロ買い取った黒川? 中に、六人目の小夜子として立っていたのは、転校生の小夜子? 亡くなった二番目?


     転校生の小夜子はけっこう冷酷。今年の小夜子に指名された加藤君可哀相。初日から転校生に先越されちゃうし、脅されちゃうし。そりゃ盗む為に小夜子の持ち物漁ったのはいけなかったけど、留年するまで重い病気にかかるなんて。いや、これも二番目の小夜子がやったのかしらん? 加藤が小夜子になったこと気に食わないくて。六番目の小夜子が気にいって引き立てる為に、余計な小夜子を排除した?


     秋に振られた同級生の女子を、放火させるように誘導したのは、転校生の小夜子だった。あれ何でそこまでさせるの? おかげで秋焼き殺されるところだったじゃない。文化祭マニュアルだけ燃やすか盗ませるかすればイイだけのことなのに。同じ生徒の心を弄んで操るところがゾッとして嫌いでした。

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     そもそも新学期に、小夜子を引き受けた合図に、一輪の花じゃなく花束ってのが目立つでしょ。鞄に隠せないじゃない。誰よりも早く来た時点でバレるし。教室の教壇ってことで、今年の小夜子はそのクラスに居るって知れて、苦しいよね。
     ドラマでは、赤い花飾る場所、教室にしてなかったから、そうだよね、と納得しました。

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    tag : 六番目の小夜子 恩田陸 伝承 赤い花 花瓶 転校生 新学期

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    唯

    Author:唯
     読書感想が主です。探偵が登場する本格ミステリー好き。
    と言っても、難しいことは解らないのでトリックにはさほど関心無く、登場人物のやりとりを見るのが好きなだけです。

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