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小説感想:米澤穂信『愚者のエンドロール』

 タイトルからしてそそられるものがあった作品。五作目に読んだけど、古典部シリーズは、私が読むにはこの作品だけで良かったかも。ともかくとっても面白かった。
 以前『ロビンソン家の殺人』で解決編見るの遅くなって、事件の内容すっかり忘れてしまったことがあった。問題編だけで、解決編の無い推理小説ってイヤです。時間を無駄に費やし損した感じ。自分で解ける能力無いから。
 この作品は、シナリオだけじゃなくって、既に映像が作成されて(シナリオ作家の意図したものとは違う)、もっと制約が多くなっている。推理小説なんて読まなくても、論理的思考を持ってれば、妥当な結末に到達出来るものなんですかね。

 「わたし、気になります」文化祭に出展するクラス制作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか? その方法は? だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した! 大人気青春ミステリ、<古典部>シリーズ第2弾!


↓以下ネタバレあり




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     「わたしはあまりミステリーを楽しめないのかもしれない、と思うぐらいまでは読みました。ここ何年かは全く触れていないですね」
     ただ読んだことがないのではなく、読んだ上で拒否しているらしい。毎日を推理小説風に変えてしまうお嬢様は、推理小説が苦手、か。随分逆説的だな。ビジネス小説の嫌いなビジネスマン、みたいなものか。そう考えれば、さほどおかしなことでもないかもしれないが。


     この時えるまだ高校一年生の夏。と言うことは小学生の段階で読み倒したのか。やはり、えるお嬢様恐るべし。
     

    愚者(THE FOOL)冒険心、好奇心、行動への衝動を表す。


     タイトルの愚者は、このタロットカードを指しているだけじゃなく、映画の結末を絞り出そうとする器じゃない、2Fの生徒達そのものを言ってるようだ。私は、第一の中条案と第三の沢木口案でイイんじゃないかと思った。辻褄合わなくても、そこは寄せ集めの高校生の思いつきの作品で、記念の為じゃないの? 完成させることに意義があると思うけど。女帝がそこまで完成度に拘ったのが理解出来なかった。そもそもシナリオ未完成なのに、撮影始めちゃうスタッフって……すっごい度胸。ロケ地は遠いし、撮影日は週一限定なのにだよ。

     普通シナリオ書く前にどう言う内容かスタッフと打ち合わせしない? シナリオ書く者も、始めから終わりまで一人で考えたとしてもよ、誰かに、こう言う流れだからって、話しとくもんじゃない? 撮影の段取りとかあるわけだから。ここまで秘密にしていた意味わかんない。こんないい加減な奴の意志に沿った結末を考え出せ! なんて方がオカシイよ。そもそも人が亡くなる話が嫌いなのに、ミステリーの脚本なんて引き受けるなよ! 断れよ! 本郷真由。その意志薄弱さに苛立った。そう言うとこは高校生の女の子。
     ふだん漫画を描いてる娘が、映像造るのに、ミステリーの参考にするなら小説からいくのかな? と違和感感じた。漫画かアニメを参考にする方が自然のような。まぁホームズはわかるとしても、いきなりノックスの十戒といく? そんな無駄な努力をするより、スタッフにプロットを考えて貰って、自分は脚本書きに専念すれば良かったのに。

     何故2Fの生徒の案を、一日交替で一人ずつ検討しなければならなかったのか。本郷真由を病気にした時点で、彼女を守ったんだから。素直に、先に撮った映像の辻褄が合うように結末考えてよ、では駄目だったの? 本郷真由だって傷つかなかったと思うけど。それ以前に、自分の意図してない撮影の仕方をされてこと自体に傷ついたんじゃないの。かと言って自分のミスでもあるし、今さら違うとは言えなかった。しかし、このままでは未完成のままで終わってしまう。それなら、自分の意図とは違う結末になっても、クラスの記念作品を完成してくれた人に感謝したんじゃ。

    ⅩⅠ.力(STRENGTH)内面の強さ、闘士、絆を表す。「力」は、獰猛なライオンが優しい女性に御されている(コントロールされている)絵に象徴されます。

     活発な姉と言い、産まれながらに女難? の相を持っているのか、奉太郎。姉⇒女帝⇒えるの思惑通りに働かせられる奏太郎。チャットが必要なのは、姉と女帝の間だけじゃないの。

     ホームジストと言う言葉を初めて知ったと思ったら、作者の造語らしい。里志の知識の広さにも感心した。それにしても、登場人物がみんな言葉づかい知的レベル高過ぎて、私にはついていけませんでした。ほんとうに高校生? この作品、バークリーの『毒入りチョコレート事件』の形をとっているらしい。読んでません。あらすじ見たら、映画の『キサラギ』に通じるものあるかも? 最近出た小説『暗黒女子』もその流れか。

    「あなたはこの店で、スポーツクラブの話を例に出して俺を説得しましたね。能力のある人間の無自覚は能力のない人間には辛辣だ、と。


     ↑次作の「クドリャフカの順番」に通じる言葉ですね。
    この女帝が、名のある有識者の大奥様に、すでに見えるくらい貫禄がある。海千山千乗り越えてきたような……あねさん?

    ほうたる:怪我のことは簡単だ。あの部屋はガラスが産卵していた
    L:ふしぎなガラスですね。


     何故、わざわざチャットで、真相解明しなければならなかったのか? えるがねだった?
    海外に居るお姉さん、日本の弟のパソコンと共有出来るものって?

    imageg_20130727191110.jpg この話こそ、夏休みの夕方位に、問題編が一時間半から二時間位で提示されて、解決編が次の日か次の週の一時間位で放送されれば面白いのに。古典部のメンバーは出さなくてもイイから、このエピソードだけをとって。オリジナルを変えて、解答者を高校生以下に限定して、一番面白そうなのを取り上げるとか。そうすると解決編は一月後になっちゃうか。そう言う企画、昔無かったかな~?

     ↑なんて思ってたら、ありましたよ、今そんなの。WOWOWが決まったって書かれていたから、何だろうもしかして舞台中継されるのかな? (民放も同じような番組ばかり放送するなら、たまには舞台中継してくれない?)って想像してたら、違った。
    『KAZEOKE』#2☆☆☆8月11日(日)よる11時
     やっぱりWOWOWって入んなきゃいけない? 


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    tag : 米澤穂信 愚者のエンドロール 文化祭 未完 シナリオ 解決編 女帝 ビデオ 夏休み 廃屋

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    Author:唯
     読書感想が主です。探偵が登場する本格ミステリー好き。
    と言っても、難しいことは解らないのでトリックにはさほど関心無く、登場人物のやりとりを見るのが好きなだけです。

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